iPhone修理の待ち時間から始まった、信田さんとモデルYの暮らし【後編】
ライズに満足していた信田さんが、修理の待ち時間の助手席体験をきっかけにモデルYへ。自宅での駐車確認、Alexa連携の自作、犬との移動や充電の使い分けから、乗り換え後の暮らしを聞きました。
「iPhone修理しに行ったらなぜかテスラを買っていた」
信田さんは、テスラ モデルYを買うことになったきっかけを、こう話す。 もっとも、修理を待つ間にそのまま契約したわけではない。 助手席で味わった体験が忘れられず、調べ、もう一度店へ行き、自宅で車を出し入れできるかも確かめた末の選択だった。
神奈川県の戸建てで奥さんと犬と暮らすITエンジニアの信田さんは、最初の愛車だったライズで、車のある生活を気に入った。 そこへ現れたモデルYは、移動先だけでなく、車の使い方にも新しい楽しみをもたらした。
助手席で体験した加速と使い勝手が気になった
ライズに満足し、車検も通していた信田さんに、買い替えの予定はなかった。 ある日、壊れたiPhoneを修理するため、奥さんとラゾーナ川崎のApple Storeへ行った。 当日中に直ると分かり、できた数時間の待ち時間に、近くのテスラの店舗へ立ち寄った。
もともと運転を支援する技術には関心があった。 テスラではどんなことができるのかという興味から、店をのぞいてみたのだ。 声をかけられ、助手席に乗せてもらうことになった。
そこで印象に残ったのが、運転支援の動きと加速だった。※1
「想定外だったのが、加速がすごかった」
それまで加速のよさを気にして車を選んだことはなく、そこに憧れる気持ちもあまり分からなかったという。 ところが実際に体験すると、その感覚に惹かれた。 さらに、車に乗り込んで走り出すまでの操作の少なさも気になった。
信田さんのモデルY。購入の入口は、予定外の助手席体験だった。
その場では、まだ買おうとまでは思っていなかった。 しかし帰ってからも、関心は薄れなかった。
「気づいたら毎日毎日ひたすらテスラのことを調べてて」
本人の記憶では、1〜2週間ほどで再び店舗へ行った。 近づいていた年末には、岐阜への帰省もある。 長距離の運転が楽になりそうだという期待が、購入を考える理由になった。
大きさは自宅で試し、年末の帰省に合わせて決めた
欲しくなっても、先に確かめる必要があったのは自宅での出入りだった。 最初の車にライズを選んだときは、運転への不安と周囲の道の狭さから、小回りが利くことを重視していた。 モデルYへの乗り換えでは、その条件をもう一度考えることになった。
「家出れるかっていうところは一番リスクだったんです」
信田さんは正式に試乗し、自宅まで来て、実際に停めるところまで試した。 展示車を見て大丈夫そうだと判断するだけでなく、自分が毎日使う場所で確認したのだ。
結果として、出入りはできた。 ただし、ライズではそのまま出られたところを、モデルYでは少なくとも一度切り返す必要がある。 毎日のことなので面倒さはあるし、出入りのたびに怖さも感じるという。 それを承知したうえで、乗り換えを決めた。
購入したのは2025年12月。 希望する色の車が入ってくる時期に合い、本人の記憶では一か月も待たずに納車された。 帰省に使いたいという予定もあったが、早く乗りたい気持ちも強かった。
「その時はもう1日も早く会いたかったんですよ」
ライズより大きな車への乗り換え。購入前には自宅で駐車と出入りを試した。
アプリからの空調操作を、自分でもっと便利にした
信田さんが気に入っているのは、走っているときの性能だけではない。 スマートフォンを持って車に近づき、ドアを開け、シートベルトを締めてブレーキを踏む。 走り出すまでに行う操作の少なさが、印象に残ったという。
車内の画面だけでなく、車の外から使うアプリも生活に馴染んでいる。 暑い日は家を出る前に空調を入れ、車内を冷やしておく。 旅行先でも、店を出るころに操作しておけば、車に戻るまでに涼しくなる。 乗り込んでから熱い車内が冷えるのを待つ時間を減らせるのだ。
大きな中央ディスプレイがある運転席。信田さんは、出発までの操作が少ないことにも惹かれた。
さらに、アプリを開くひと手間も減らしたくなった。 そこでITエンジニアの信田さんが自分で作ったのが、Alexaを通じて車のエアコンを操作できる仕組みだった。
「テスラをアレクサ経由でエアコンをつけられるように開発する」
車を自分の使いやすいようにする方法が、ソフトウェアを作ることにつながっている。 エンジンまわりを自分で整備してきたわけではない信田さんにとっても、手を加えて便利にできる部分があった。 普段の仕事で扱う技術と、これから車で出かけるという日常が、空調操作を通じてつながった。
スマートフォンに表示したテスラアプリ。出かける前に車内を冷やしておくことも、日常の使い方になっている。
犬との移動と買い物に、モデルYの機能を使う
ライズのころから楽しんでいた犬との外出にも、モデルYの機能が役立っている。 信田さんが便利だと話すのは、駐車中も犬のために車内温度を保つペットモードだ。※2 犬と一緒の移動では、途中でちょっと買い物をするにも、犬をどうするかを考える必要がある。 そうした場面で使える選択肢が増えたと感じている。
白いシートとガラスルーフが見える後席。犬とのお出かけは、ライズから続く車の使い方だ。
買い物や旅行では、荷室下の収納も活用している。 ここにマキタのポータブル冷蔵庫を積み、車から電源を取って使っているという。 旅行先で冷凍のお土産を見つけたときも、買って持ち帰る選択肢ができた。 スーパーで冷蔵品を買った後にも役立っている。
信田さんの使い方では、駐車中もアクセサリー電源を使えるよう設定できることが、この冷蔵庫の便利さにつながっている。 車を走らせるための電気が、移動の途中や駐車している時間にも役立つ。 犬と出かけるときの空調や、食べ物を持ち帰るための冷蔵庫といった、生活の細かな場面で使い勝手の違いを感じていた。
車内の操作を説明する信田さん。アプリや画面を使う車との付き合い方が、暮らしの中に馴染んでいる。
日常は自宅で充電し、遠出では休憩に組み込む
EVを持つことになると、ガソリンスタンドに寄る代わりに、どこで充電するかを考える必要がある。 信田さんの場合は、自宅で充電できることが普段の使い方を支えている。
最初は屋外の100Vコンセントで充電していたが、遅く感じたため200Vに切り替えた。 現在は3kWの充電設備を使い、普段の利用では速度に困っていないという。
「基本的に家での充電でほとんど事足りています」
これは主に日常の使い方についての話だ。 たとえば土曜日に長く走って電池を大きく減らせば、翌朝には必ず満充電に戻るというわけではない。 信田さんも、残量をかなり減らして帰った場合には、翌日の出発までに満充電にはならないと説明している。 家に停めておける時間と、翌日にどれだけ走るかの組み合わせで考える必要がある。
遠出の際には、途中の充電も行程に入れる。 岐阜へ帰省するときは基本的に一度充電し、複数回取る休憩のうち一回をそこに重ねている。
「岐阜に行くのに休憩しないということはありえないので、その一回を充電に使えばいい、という感覚です。」
遠方では充電場所が気になることもあるが、目的地を設定すると、途中で立ち寄るスーパーチャージャーもナビが計画してくれるという。 どこでも充電できるわけではないという不便さは残る。 それでも、自宅での充電と、旅先で休憩を兼ねる使い方を組み合わせることで、信田さんの暮らしでは運用できている。
日常は自宅で充電し、遠出では途中の休憩に組み込む。信田さんは自分の移動に合わせて使っている。
車が大きくなっても、走る距離は増えた
モデルYの大きさと小回りの利きにくさは、今も気になる点だ。 日本向けの公表寸法で比べると、モデルYはライズより全長が80.5cm、全幅が22.5cm大きい。※3
| 寸法 | ライズ | モデルY | ライズとの差 |
|---|---|---|---|
| 全長 | 3,995mm | 4,800mm | +805mm |
| 全幅(ミラーを除く) | 1,695mm | 1,920mm | +225mm |
| 全高 | 1,620mm | 1,625mm | +5mm |
高さはほぼ同じでも、車体は約80cm長く、約23cm幅広くなる。 たとえば同じ駐車枠の中央に停めるなら、車体の左右の余裕は片側約11cmずつ減る計算だ。 信田さんの自宅でも、ライズではそのまま出られたところで切り返しが必要になり、出入りの手間は増えた。 それでも、車を出すのが嫌になったわけではなく、本人によれば月当たりの走行距離はライズのころより増えている。
理由を尋ねられて返した言葉は、短かった。
「乗りたくなる」
もともと車好きだったわけではない信田さんにとって、エンジンの音や振動は、車に欠かせないものではなかった。 だからこそ、それらのないテスラも、一台の車として自然に受け入れられている。 そのうえで、アクセルを踏んだときの加速には、運転している実感と楽しさがあるという。 車を所有するつもりがなかったところから、ライズで出かける場所が増え、モデルYではまた乗りたいと思う時間が増えた。 自宅から出せるかを試し、日常の充電方法も整えたうえで、その楽しさを暮らしの中に迎えている。
取材の合間、自分のモデルYにカメラを向ける信田さん。
OWNER PROFILE
信田さんテスラ モデルY オーナー
神奈川県の戸建てで奥さんと犬と暮らすITエンジニア。趣味はボルダリング。2021年に最初の愛車としてトヨタ ライズを購入し、2025年12月にテスラ モデルYへ乗り換えた。